循環葬への お寺の想い
(Message)
植田 観肇
能勢妙見山
副住職

能勢妙見山でブナ林保護を行う「ブナ守の会」を立ち上げ、様々な専門家との交流を深める中で、私たちは日本の森がその多様性を失い、危機に瀕している現状を知りました。この問題意識から、「自分たちにできることで、広く森林を守ることはできないか」という問いが生まれ、その答えのひとつとして「循環葬」にたどり着きました。循環葬は、多様性を尊重する社会を築く礎の一つとなるだけでなく、森を守る人々を支援し、ひいては世界の森林保全に貢献する新しい葬送の形です。私は、仏教は生きている人々のためにこそ必要であると考えています。しかし同時に、死後の「安心(あんじん)」があってこそ、私たちは心おきなく人生を全うできるとも信じています。循環葬が、人々に新たな安心(あんじん)をもたらす選択肢の一つとなることを願っています。